2024/07/06

好きな映画ランキング【邦画部門】

観た映画をスプレッドシートに入力する作業をしたので、いろいろな思い出がよみがえって好きな映画ランキングを決定したくなり、決定するに至りました。

ちなみに、今まで観た映画の本数は再視聴したものを合わせると1063本でした。再視聴はめったにしないので数にいれています。まあ、めったにしないと言っても99本ありましたが……。十分の一以下なのでいいかなあ……。

まずは邦画部門から。他の記事で【海外部門】【アニメ映画部門】をランク付けしています。

【邦画部門】

1位:アヴァロン 

押井守の『アヴァロン』が邦画部門で唯一ランクインしました。これってポーランドで撮影、ポーランド語、ポーランドの役者の映画なのですが、日本の会社が製作しているので邦画に分類されるようです。

邦画は他にもいろいろおもしろかった映画はたくさんあるのですが、いかんせん『アヴァロン』がぶっちぎりすぎて……。この映画は邦画だけでなく全ジャンルを通して1位なので、敬意を表して唯一のランクインとなっております。1063本観た映画のなかで一番好きということですね。

わたしは押井守が大好きなんです。といってもすべての作品を観ているわけではないのですが……。押井守って追うのが難しいんですよね。サブスクで配信されるわけでもない。それならDVDを集めようかと思うと、とんでもなくおもしろくないものが紛れているのでほぼ博打。

とんでもなくおもしろい作品ととんでもなくおもしろくない作品の落差が激しいのが押井守の魅力でもあるんでしょうけどね。ちなみに、とんでもなくおもしろくない作品とは『立喰師列伝』のことです笑。『ぶらどらぶ』も期待が高かっただけにイマイチだったなあ。

わたしの悪い癖なんですが、あまりにも好きだとあまり触れたくないんです。だからグズグズと全部の作品を観るのを先延ばしにしているところもあります。すべて観てしまったらその世界が終わってしまうような怖さがあって……。

でもいずれはすべて観たいので、できるだけ早く観なくてはなりませんね。年を取るにつれどんどん感性が摩耗し鈍麻していく可能性もあるし……。

さて。邦画ね……。邦画は最近ほとんど観ていなくて。1063本のうち、邦画って88本しか観ていないんですよ……。

十代の頃は邦画ばかり観ていたのですが。あの頃の邦画はおもしろかった気がするなあ。まあ、子どもの頃に観た映画ってすごくおもしろく感じますよね。今観たらどう思うんだろう。

わたしは三谷幸喜が好きでした。三谷幸喜は清水ミチコと『MAKING SENSE』というラジオをしているのですが、これめちゃくちゃおもしろいです。本も読みました。

邦画は均等におもしろかった思い出があるのですが、あまりおもしろくない映画の記憶が特に鮮明に残っていますね。

ちょっとその話をしてもいいですか? 好きになれなかった映画の話をするので、そういう話が苦手な方はこれ以降読まない方がいいかもしれません……。少し間を空けますね。









じゃあ、いいですか? 一応品位を持って冷静に記述するつもりですが、やはり気分がいいものではないでしょうから、無理だと思ったらすぐに離脱してくださいね。

わたしが若い頃は、TSUTAYAなどでレンタルして映画を借りておりました……。大体100円くらいで借りて観ていまして、サブスクが普及した現在からすれば考えられないですよね。

若い時分ですから、観る映画はすべておもしろい時代でございます。そんななか、わたしはひとつの映画を観たのです……。その名も『シーサイドモーテル』。

この映画を観終わった瞬間、わたしは唖然としました。そして暴れました。あまりのつまらなさに……。今では映画の内容はおぼろげにしか覚えておりません。ただただ、つまんなかったという衝撃だけを覚えております……。

この映画はどうやら漫画原作だったらしく、確かに漫画で描いてあったらおもしろいのかもと自分を慰めようとしたのですが、金を払ってこんな映画を観てしまったことに怒りを覚えました。

あとひとつのつまんなくて覚えている映画は『KIDS』。わたしは若い頃乙一が大好きでして、その乙一の短編が映画化されたということで、同じく乙一好きの妹とわくわくしながら借りて視聴しました。

観ている最中、妹との間に「まさか……?」という戸惑いの空気が流れていました。それは「まさかおもしろくない……?」という疑惑でした。

その戸惑いは感動のクライマックスで主人公の小池徹平が地面をはいずっているシーンで最高潮に達しました。涙を流すべき場面で一粒の涙も流れませんでした……。いや、こんなシーン原作になかったし……。

観終わったあと、気まずい沈黙のなか、わたしたちが絞り出した言葉はこれ。

「……」「……」「……お、音楽はよかった」「うんうん! 音楽はよかった」

槇原敬之の主題歌のおかげで笑い話となりましたとさ。ちゃんちゃん♪

もしこの映画を好きな方がいたら本ッ当にごめんなさい。これはわたしの個人的な好みに当てはまらなかったというだけで、その映画を貶めているわけではないことをご理解ください。

今の邦画界ってどんな雰囲気なんだろう。最近の邦画って知らないなあ……。

昔の邦画界は焼き直しが多くてパターン化しちゃうところがあって、だからちょっと飽きちゃってだんだん観なくなっちゃったんですよね……。

たとえば、三谷幸喜の『マジックアワー』が受けたとしますよね。そうしたら『マジックアワー』の別バージョンみたいな映画を量産してませんでした? それはそれでいいんです。だけどそればっかりだと飽きちゃうというか、もっと奇をてらって新しいものを作って欲しいのに安牌な選択ばかりして守りに入ってるところが物足りなくなっちゃったんですよね……。

もっと嫌なのが「感動」を売りにするところ……。『世界の中心で、愛をさけぶ』が流行ったらそれっぽい映画ばかりになったじゃないですか。最初の方はいいんですが、もっと趣向を凝らしてくれよ! と思ってしまうんですよね……。映画ってクリエイティブな世界じゃないですか。商売も大事だけど、もっと個人のオブセッションがこれでもかと出ている映画をわたしは観たいんです……。

なんだかな。わたしが個人的に苦手な展開がふたつあって「恋人の余命が短くて死んでしまう」ものと「貧乏や退廃を露悪的に描いていて救いがない」ものなんです。この展開、邦画に多くないですか……? それを察知すると観る気がなくなってしまう……。

そういう意味では『カメラを止めるな!』はいい流れを作ってくれたのかもしれませんね。あれはおもしろかった。まあ、最初の30分の画面酔いでひどいことになって挫折しそうになりましたが。

邦画を観れない理由がもうひとつありましてね。なぜか日本人俳優の演技に共感性羞恥のようなものを抱いてしまうんです。同じ学校の人が学芸会で劇を演じているのを見ているような気持ち。プロに対して学芸会ってすごい侮辱だと思うのですが、なぜか脳にこの感覚がこびりついていて拭えないんです。

日本人俳優だと舞台裏を容易に想像できてしまって、「演技してるなあ」とはっきりわかってしまって……。洋画ではこんなことないんですが……。

日本人俳優だとどんなに演技がうまい人でも「演技がうまいなあ!」と思ってしまうんですよ。逆に洋画だとそもそも演技しているという感覚自体がないんです。伝わってますかね……。そもそも映画の文化の違いだとどこかで読んだような記憶があります。

たぶん慣れの問題だと思うんですよね。わたしは邦画と同様に舞台も映像で観れないんですが、これも慣れの問題だと思う。その世界が独自に持っている空気というものを十分に呼吸できていないと、最初のうちは息苦しく感じるんでしょうね。

たぶん、邦画のいろんな名作を見逃していると思うんですよね……。でもでも、邦画を観ていて恥ずかしくて「うわあーっ」となるのに耐えられそうになくて、なかなか勇気が持てない。

それにですね、洋画がおもしろいと感じるのって字幕の存在が大きいと思うんです。言葉を聞きながら字幕を読むじゃないですか。作業がひとつ多く脳内で行われているので忙しいんです。

だけど邦画は字幕なしで観ますから、作業がひとつなくて暇なんですよね。だから間に耐えられなかったりテンポが悪く感じたりしてしまうんだと思います。邦画も字幕をつければ解決するんですが、構図を見たいからできればすべての映像作品は字幕なしで観たいんです……。

邦画に対する思いを語れてスッキリしました。いろいろと言いましたが、これからは邦画も観ていきたいです。

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