2024/07/11

映画『女神の継承』感想

以下の感想、この映画が好きな方は読まない方がいいかも……。褒めと不満が交互に出てきます。いや、文句が多いかな……。あと、汚い話が出てきます。ネタバレもあります。

ちょっと間を空けますので、読みたくない方は離脱してくださいね。











おい……! おい! 画面酔いの甲斐がある映画であってくれよ!! ひっさしぶりに食べたフルーツをぜ~んぶ吐いちゃったんだぞ! うう、くそ、まだ気持ち悪いわ……。せっかくのフルーツの栄養素がムダになっちゃった。高かったのに……。

昼ごはんとおやつのフルーツと夕方のお酒、これらをすべてトイレにリリースした代償に見合う映画だったかと言われると……。ギリギリ……アウトかな。

まあ、お酒を飲んでこの映画に臨んだわたしが悪いと言えるかもしれない……。しかし、モキュメンタリーなんて聞いてないもん。夜ごはん食べる前でよかった!

まったく……。ちょっと文句を言いたいのですが。モキュメンタリー映画、みんな過剰に評価しすぎじゃないですか?

カメラを止めるな!』しかり『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』しかり……。評判がめちゃくちゃ良いから観てみたらモキュメンタリー。粗削りで新奇で奇抜でおもしろいっちゃおもしろい。

だけど、映画としての完成度はお粗末な気がするんですが……気のせいですか? 前評判の良さで期待したわりに肩透かし食らうことが多いかも。

確実におもしろいことは確かですよ。映画の手法としてめずらしいし観ておくべき映画だと思うし、こういうのもなくちゃねって思う。

だけどなあ。そのおもしろさって「インディーズ映画にしてはおもしろい」っていう褒め言葉と同じではないですか。ちょっと過激すぎるかな。言葉が強かったらごめんなさい……。

とにかくこの手の映画は、画面酔いが酷すぎて頭がクラクラして正当な評価が下せない。新しいものを見せてくれたという衝撃はあるからおもしろいと押し切られてしまう、ような気がしてきた。

女神の継承』なあ。うーん。うーん。タイという異国感は新しい。だけど……そこで独自の怖さを表現できているか? となると首を傾げざるを得ない。

いや、めっちゃ怖かったですよ? だけど既視感が拭えない。モキュメンタリーでいうと『パラノーマル・アクティビティ』4作と『REC レック/ザ・クアランティン』(本家は観てない)、『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』を観ただけのニワカですが、そんなニワカでも既視感があった。

モキュメンタリー映画のなかではおもしろいのかもしれませんが、そもそも母数が少ないですからね……。

というか、モキュメンタリーってどうして前半がつまらないんでしょうか……。後半との落差を狙っている? あと、どうしてホラーのモキュメンタリーはぶつ切りで破綻して終わるんですか……。これは性質上どうしようもないことなのか?

とにかく言いたいことはたくさんある。だけどいいところもたくさんある。そこに目を向けてみよう。

まず、ミンの女優の演技がよかった。ニムの女優もリアリティがあってよかった。それに、既視感があったと書いたけど、よく考えてみるとあの不快な湿度は洋画には出せないな。

泥酔、不特定多数とのセックス、生理用品、使用済みコンドーム、近親相姦、失禁、犬の殺生等々……挙げるときりがないくらいの不快なものがわんさと出てきて、タイの湿度と合わさってなんともいえない気持ちの悪さを演出していたよね。

この映画を観たとき、わたしの住んでいるところもじめじめした蒸し暑い雨の日で、それも相まって吐いてしまったのかも……。

そしてこんなに人が死にまくる映画だとは……。ニムが死んだときは驚きました。ストーリーの希望であるニムが死んだ時点で全滅エンドかなあと予想がついてしまいましたね。

こう考えてみると、掟破りの不快さを延々と繰り出してくるのってアジア映画にしかできないのかも。そこをおもしろいと思うことができれば、この映画ってめちゃくちゃおもしろい。

不快だったり下品だったりすると眉をひそめてしまっていたのですが、これからはその方面も楽しめるようになれば、楽しみの幅が広がるのかな?

というかこの映画130分もあったのか! なら断然おもしろい映画だわ! すごく短く感じた。キラキラの虹をトイレに放出するインターバルを挟まないといけないけど、それを抜きにしても中だるみを感じなかった。

高価で貴重なフルーツがムダになった恨みでこの映画を過小評価してしまっていたのかもしれない。

うん、おもしろい! けど画面酔いのせいで具合悪い!

なにはともあれ、変なテンションになる映画でした。

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