続いているからには面白いんだろうと思って読んでみました。
すばらしい小説だとは思いますが、わたしの好みからは少し外れていたかな……。わたしはちょっとだけ毒のある小説が好みです。
でも古典の児童文学(『秘密の花園』とか『小公女』とか)を読んだときのような爽やかで綺麗な読後感を味わうことができました。
ただ、例にあげた小説を読んだときのような圧倒的読後感というよりは、ささやかな良さを感じる読後感でした。
登場人物がみんな良い人ばかりなんだよな。主人公のトーリーは七歳なのに素直でいいこだし、ひいおばあさんのオールドノウ夫人も理想のおばあさんだし。悪人も出てくるけど、昔話のなかのことだし。
舞台となるグリーン・ノアもいいところで、大雨が降ると屋敷の周りが水に沈んで、ボートを漕いで屋敷にいくんです。素敵ですよね。
聖クリストファーの巨大な石像もロマンがあって素敵だし、動物のかたちに刈り込まれた木々も素敵。
男の子の憧れである剣や馬なんかもでてきて、孤独だったトーリーが生き生きとしているところを見るとわたしも嬉しくなりました。
ただ、わたしの注意が散漫だったからか、人物の続柄がよくわからなかった。誰が誰のおじいさんでおばあさんなんだ? という戸惑いが終始ありました。いまでもよくわかっていません。家系図がほしいな。
土地の名前と屋敷の名前もごっちゃになってしまって、何がグリーン・ノウでどこがグリーン・ノアなの? となってしまいました。きちんと読み込めばわかるのでしょうけれど、そこまでする気力がなくて……。
トーリーがかわいいので続きを読んでもいいかなあと思ったのですが、うーん、ちょっと保留ですね。
わたしは児童文学の好みに関しては、割と極端というか……。
思いっ切り古典か、思いっきりエンタメか。どちらかに振り切っているのが好きなんです。
例をあげると、古典ならワイルド『幸福の王子』とかディケンズ『クリスマス・キャロル』とか。エンタメなら『ダレン・シャン』とか『バーティミアス』とか。
なので、すばらしい小説なのに『グリーン・ノウの子どもたち』はわたしの好みからは残念ながら外れていました……。
でも、誰かの大切な思い出になりそうな本だなあと思ってあたたかい気持ちになりました。
きれいな気持ちに浸りたい人にはおすすめの本です。
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