2023/12/18

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』感想

わたしは……なにをみたんだ? え? 夢?

すっげえものをみた。まじで、すげえものみちゃった。

なんだ? まじでマルチバースをジャンプしたような気がするんだが。

これはわたしの好きな映画ランキングが入れ替わったぞ。

まじか……。こんな映画がまだ観れたんだ。

こんなふうに、心を抉り取る作品にまだ出会うことができるんだ。

映画を観て心底ひっくりかえることができるんだ。

891本観て、映画にマンネリ感じてて、映画への希望を無くしかけていたわたしの人生に、すげえものがぶっこまれた。

そう、これは間違いなく映画への希望だよ。

こんな面白い作品が、歴史に残る映画が作られ、そしてこれからも作られる。

わたしはこれからも面白い映画に出会うことができる。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』はそれを約束してくれる福音だ。

わたしはなぜこれを劇場で観なかったんだ。

劇場で観なかった映画でこんなにも後悔した作品はこれがはじめてだ。

人生が変わった。

うん。人生が、自分のいる位置が少し変わってしまった。

いやあ。いやあ……もう言葉がでない。

観終わってすぐにこの感想を書いているんだけど、興奮冷めやらぬというか……。

だってさ、今のところ、もしかしたら……好きな映画一位になっちゃったかもしれない。

いや、早まるな。

いやでも、うん。なっちゃったかも。一位に……。

いやいや、観終わったばかりだから……。

うわ、もうすでにもう一回観たい。

ねえ、この映画を前にして、論理的に感想を書ける人間がいますか?

圧倒されて何がなんだかわかんないから、だれかわたしになんでもいいから教えてくれ。

頼りない夫への失望と尊敬、離れていく娘への想い、自分を見捨てた親/子への許し。

反発しあう母と娘、二人の衝突、宇宙規模の抱擁。その和解は宇宙の組成を変える。

観る人によって、この映画が映し出すものは違うだろう。

この目まぐるしく回る映画の中心にはベーグルのように穴があいていて、その虚空には何も無い。

その無の先に、人は自らの生と死、ひいては宇宙を観る。

ベーグル……。

いうなればこの宇宙はベーグルで、この映画は小さなベーグルなんだ。

そうか……。

村上春樹の小説はドーナツだと常々思っていたのだけれど、この映画はベーグルなんだな。

わたしはドーナツとベーグルが好きみたいです。

いやあ、まじで、この映画が作られる世界にいられてよかった。

幸せだ。

本当にありがとう。

良い作品を観たら言葉をなくし、ただ感謝することしかできない。

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