2024/01/25

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』感想 ※ネタバレあり

ジョン・ウィック……。これで完結か……。4作目まで楽しめる映画ってなかなかないよね。稀有な映画です。

169分もあるのか。ずーっとハラハラして集中して観ていたから観終わってこれを書いている今、すごく疲れてますけど、満足です。

でも、本当にこれで完結なのかな? エンドロールのあとに流れたケインとアキラのシーンとかすごく中途半端に感じたし、そもそもジョンが死んでいるという確証がない。

もし続くのならすごく嬉しいけど……無理かなあ。キアヌ・リーヴスももう歳だしなあ。

でもさ、このジョン・ウィックという役柄、キアヌじゃなかったらすごい反感を買いそうだよね。

だってジョンが助けを求めた人たち全員がなんらかの多大な不利益を被っている。

本当に厄介な死神みたいなやつで、本当なら迷惑極まりないやつなのに、キアヌの人柄か演技力の賜物か悪感情を抱かないよね。

まあアクション・シーンの完成度の高さですべてをねじ伏せられるよね。はい、降参です。アクション・シーンがこれほど面白い映画、他にないもん。

今回のアクション・シーンもおもしろかったなあああああ。毎回毎回、「もうこれ以上面白くならないだろ」を超えてくる。どういうことなの?

ジョン・ウィックのアクションって重いんだよね。一撃一撃が重い。他の映画が軽く感じるくらい。本当のぶつかり合いをしているように見える。本当の戦闘ってこんなふうなんだろうなあって解像度があがった。

重い身体を重い身体にぶつける。動物のような唸り声をあげて、もんどりうって転がり回って、渾身の力で相手にとどめをさす。何度も倒れて全身に衝撃を受けて、足を引きずりながら歩を進める。

今まで観てきたアクションがいかに軽かったかのか、ジョン・ウィックで知った。

あと、本当にアクションを撮るのが楽しそうなのがいいんだよなあ。アイディアがめちゃくちゃいい。

大阪コンチネンタルでの戦闘も弓で射られた死体のぶら下がり方とかそういう細かいところまですっごく楽しかった。

ナイトクラブでの戦闘もジョンとケインとトラッカーの共闘がいい感じだったしなによりキーラがあの巨体であの俊敏さが意外だった。

エッフェル塔のシーンもよかったああ。どんどこ人が車にひかれていきながら銃撃戦を繰り広げるなんてわたし初めて観ましたよ。

そして決闘の夜明けまでにジョンを殺そうと追う者たちとの戦闘。特に印象に残っているのが、古い家での戦闘シーン。間取りを上から見下ろした視点から撮っていたのがすごくおもしろかった。あの火花が出る武器、派手でいいね。

そして絶望の階段のシーン……。ここは言葉にするまでもないね。途中でケインが現れたのも犬の復讐ができたのもよかった。

アクション・シーンでもう本当にほれぼれするのが、ジョンの銃のリロードの速さね。バスが通り過ぎる瞬間にリロードしたところなんてもうかっこよすぎて……。リロードはロマンだ。

それにしても、最後の戦いが古き良き決闘とはね……。天才か?

西部劇を思わせる、今までの戦闘シーンにはない種類の張り詰めた緊張感。美しい寺院と朝日のなかで古き因習に則って行われる男の戦い。

そしてデウス・エクス・マキナを思わせる美しいラスト。ジョンもケインも支配人も自由になり望むものを手に入れた。

だけど、ジョン……。戦いが終わったのに、死んでしまったのか……?

それとも、また復活するのか……。

なにはともあれ、ジョン・ウィックは伝説になった。今はそれだけでいい。うん。

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