やっぱり宇宙を扱った映画って面白い! 名作が多いですよね。なんでだろう。面白くない作品は日本に入ってこないだけかな? それとも製作費が高くなるから必然的に面白い脚本しか通らないんだろうか。それか有能監督が一度はやりたがるのが宇宙ものなのかも。
パッと思いつくだけでも『インターステラー』『ゼロ・グラビティ』『ファースト・マン』『2001年宇宙の旅』があるし……。あ、『スター・ウォーズ』シリーズも。
『オデッセイ』は一時期話題になってたので観たいなあと思ってはいたのですが、期待しすぎてなかなか視聴できなかったんですよね。期待が高すぎるとなかなか気軽に観れなくて……。
だってリドリー・スコットですよ? そりゃあ大いに期待してしまうじゃないですか。
それで気分が行き詰っているときに「本当に面白い作品が観たい」と思って選んだのがこの映画でした。
結果、塞いだ気分に見事に風穴を開けてくれました。すごいぞリドリー・スコット。期待を裏切らない男だ。
この映画、前編通して明るい気分が通底にありませんか? 絶望的な状況でもそれを必ず覆せるマンパワーをみんなが信じている。その信頼が映画を重苦しさから解放しているような気がする。
この明るさって科学や人に対する信頼もあるけど、主人公のワトニーの性格によるものも大きいのかも。原作小説がそんなかんじなのかなあ。
この映画の良さって「地に足がついている」感覚を得られるところかも。頭だけじゃなくて体も使う。その確かさが心に食い込んでくる。
ワトニーが植物学者としての専門知識を駆使して実際に畑を作ってしまうところとか、現在の地球=わたしたちの生活と地続きなんだろうなと思えた。近未来の空想の話じゃなくてね。
科学を近未来SFという魔法でごまかしていない、と感じられたんですよね。たぶん実際の科学技術からそう離れていないんだろうなと。
もちろん他の作品も綿密な取材に基づいて作られているんでしょうけど、表現したいものがそれぞれ違うじゃないですか。家族の絆がテーマだったり、宇宙への憧れがテーマだったり。
この映画の場合は、科学技術が進歩していったらこういう未来があるんだろうという未来への展望、科学というものへの期待、そのワクワクがテーマだと感じました。
この原作を書いた人って本当に科学が好きなんだろうな。科学に接するとワクワクして、いろんな想像が広がるんだろうな。
そのワクワクが伝播して科学音痴のわたしでも楽しいと感じました。
リドリー・スコットの堅実な映画作りも相まって、作品の魅力がさらに高まったと思う。
何歳になってもこういう未来への希望を描けるってすごいな。
風通しのいい、しっかりした作りの、とても気持ちがいい作品でした。
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