2024/05/11

映画『バーバリアン』感想

※ネタバレあり

めっっつちゃ怖かった……。いやほんとすごく怖かったんだが……。久しぶりにホラーを見たから過敏になってたんだろうか。ずーっと小声で「こわいこわいこわい」って言ってた。映画止めて逃げたかったけど面白すぎて止められなかった……。本当に怖かった。

だけど怖いだけじゃなくてね……ちょっと切なかった……。とりあえず最近観たホラー系の映画で一番おもしろかった。

導入のなんでもないシーンからそこはかとなく緊張感が漂っていた。最初の数分観ただけでおもしろい映画だなってわかるのすごい。事前情報なしで観たから、どういう映画かぜんぜん知らなかったんですよね。幽霊系かモンスター系か怖い人間系かわからなかった。

最初にでてきたキースがいい人なのに嫌な予感が纏わりついてて、この俳優さん何かに出てたけど思い出せない……と思ってたら途中でピンときた。ワインを開けずに待っていたシーンで思い出した。あそこちょっとしたシーンなのにゾッとしました。

あの俳優さん『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のペニーワイズだ。見たことあるのに思い出せなかったのはピエロの格好してたからだ。

ペニーワイズだと気づいてからはキースのことが信用できなくなってハラハラしながら観ていたんですが、まさかそれがミスリードだったとは。上手いこと配役しましたよね。キースに疑いの目を向けておいてまさか死ぬとは。本当の化け物の餌食になってしまった。

地下の暗闇で四つん這いになったキースでまず心底ぎょっとしたんですが次にマザーが出てきた瞬間まじで誇張なく悲鳴あげて飛びあがってしまった。怖すぎ。怖すぎ。信じられないくらい怖かった。

いやはや、テスは死んだと思いましたよ。でも二週間生き延びてたんだ。そうか……二週間マザーはテスの世話をして(彼女なりの)愛情を注いでいたんだ。それで最後のシーンに繋がると思うと……。

なぜマザーはキースを世話せずに殺したのかと考えてみると、おそらく自分より背が高いからではないかなと思った。マザーのあのガタイの良さにはそういう理由があったんだと思う。マザー役の俳優は名前からしてたぶん男性だし、AJは背が低い俳優が演じていた。

自分より背が高い男性を殺すのはフランク(背が高い)に対する恐怖からだろうな。フランクのいる部屋には近づかなかったし。

今回観てて思ったのは「裸の人間が襲ってくるの怖すぎ」でした。服着た幽霊より怖い。それにマザーって背もでかいですが胸もでかくてそれが衝撃的だった。異形の生物に豊かな乳房がついている違和感がすごくて。

乳房が大きいのは深い母性の現れなんだろうな……。ただの殺人狂じゃなくて赤子に対する愛が溢れている狂人なんだ……。いわば被害者よね。あの地下で延々と赤ちゃんのお世話のビデオを観ていたんだ。

テスもね……マザーが憎くて殺したんじゃなくて、マザーは怪我した自分を地下に連れ帰ることしかできないから、殺すしかなかったんじゃないかな……。

とことん怖がらせておいて、最後にちょっと切なく終わるなんてずるいよ……。

うーん。思い返してみても怖い。それに新しい。そう、新しいから予想がつかなくてひたすらビクビクするしかなかった。

なにはともあれ、思いっきり怖がることができて大満足。記憶を消してもう一回観たい。それくらい良かった。

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