わたしはどちらかというとミサンドリー的立場だったんだけど、この本を読み終わってから男女どっちもどっちだなという感想に落ち着いた。
進化生物学っておもしろいかも。自然淘汰や性淘汰がどのように行われるのかたくさんの事例が挙げられていた。
途中まで鳥類の話が延々と続いたからちょっとげんなりしたんだけど、これがすごく効果的でね……。菌類や鳥類、哺乳類と地続きで人間がいるんだなあって実感できた。
人間は動物のひとつに過ぎなくて、動物には多様な繁殖方法があり、人間のパートナー選びが鳥類に似ていたり類人猿に似ていたり似ていなかったり。
いろんな動物がいろんな繁殖をするよ、って話がたくさん出てくる。ツバメ、クジャク、イルカ、ゴリラ、チンパンジー、その他聞いたことのない動物……。
その生物のどれもが、より優れた子どもをよりたくさん産むための戦術を駆使して、選び選ばれている。
男が女を誘惑したり浮気したりするのは、繁殖のための戦略で、ただ遺伝子を残すために最適な行動をしているだけ。
女性も子どもを生かすために子育てを手伝う男を選び、優良な遺伝子のために時に浮気する。よりよい子どもを産み、その子どもが繁殖しやすいようにするため。
男性と女性がどういう相手を選びがちなのか、っていう研究結果も列挙されていて、まあ当たり前だよなという結果だった。
男も女も選り好みしてライバルを出し抜いてセックスしようとする。良い遺伝子を残すために行動している。それって生物として仕方ないんよなあと諦めに似た気持ちを抱き、すこし心が穏やかになった。
男女の不実を許せるようになったというか、愚かであるのは生物として当然の姿なんだなあと納得したというか……。
進化学に興味が出てきたので、次はドーキンスの『利己的な遺伝子』読もうかな。買ったまま積んでいたので満を持して……笑。
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