2024/05/13

ジェーン・オースティン『説得』感想

はあ……。なぜジェーン・オースティンはこんなにおもしろいの。わたしが今まで読んだ彼女の作品は『高慢と偏見』と『エマ』だけなんだけど、どれも最高におもしろかった。

ヒロインのアンがすごくいい子で、読んでいて安心感があった。エリザベスやエマのような気が強いヒロインもいいけど、完璧淑女ヒロインは読んでて気持ちの良さがちがうね。

話の筋としてはすごくシンプル。若いころの愚かな選択で結婚を逃したアンとフレデリックが時を経て結ばれる話。

思い返してみると本当にささやかな物語なんだけど、読んでいる最中はとてつもない魅力でぐいぐいひっぱられて読み進めていってしまう。

アンは控えめで自分から行動を起こして読者をひっぱっていくような人物ではないんだけど、なぜだか目がはなせない。

それはアンが好きにならざるをえない女性だからだろうな。感性が繊細で洞察力に優れていて、だけどそれをひけらかさないし家族や知人のために尽くそうとする。

思っていることを言わない聡明さを持っていて、優しいけど芯の強さもある。欠点が見当たらないすごい女性なんだけど、それがわざとらしくないしつまらなくもない。

顔を赤らめたり動揺して態度に出てしまったりする素直なところも可愛くて……。心から応援したくなる。

多少気になることがあってもおもしろければすべて許されると思っているので、ジェーン・オースティン作品には文句のつけようがない。

ジェーン・オースティンの作品ぜんぶ読みたいな。

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