2024/05/14

オーディブル所感

オーディブルね……。初月無料期間中に作品を聞き終われなくて二か月目に突入してしまったけど……。続けるべきか、続けないべきか……。今のところ、「続けない」に気持ちが傾いている。

最初に聞いた作品が悪かったのだろうか。小説を聞いちゃったからな。まさか朗読するとき熱心に演技するとは思っていなくて面食らった。わたしは淡々と読んでもらいたいんだけど。

それで、小説がいけないんだと思って進化論の本を選んでみました。さすがにこれなら演技の余地はないだろうと思って。そうしたら、なんと笑えることに、この本でさえナレーターがノリノリで調子をつけて朗読していました。

いやはや。うーん。いや、うん。わたしの方が少数派なんだ。たぶん、淡々と読まれるより強弱つけて大げさに読む方が好ましい人が多数派なんだろう。たしかに、一本調子で読まれると不愛想だし抑揚がないから頭に入ってこないのかもしれない。

じゃあ、粛々と読んでもらえない問題は仕方ないとして。次の問題は読み終わるまでの時間が長いことかな。

普通に紙の本を読むよりずっと時間がかかる。いやでも、そもそもオーディブルをはじめたのは、絵を描いている時や料理をしている時の耳が暇な時間を有効に使いたいという目的があったからだ。

時間がかかることはかかるけど、本来ヒマな時間を読書の時間にできるという意味ではいいのかもしれない。

でも短い時間こま切れに聞くことしかできなくてさらに読了までに時間がかかるんだよな。いやでも、音楽やラジオを無分別に聞くよりも自分で本を選べる分いいかもしれない。

それじゃあ時間がかかる問題も受け入れるとして、読むスピードの問題がある。

紙の本を目で追って読むスピードって一定ではないですよね。緊迫した場面では速くなるし、重要でない文はわざわざ一字ずつ読んだりしない。

でも朗読の場合は一文一文大体一定のスピードで進行する。もちろん聞いている人の聞きやすさを慮ってくれているんだろうけど、間延びした感じが否めない。

ああ、それは小説を読まなければ解決する話か。事実を列挙する本を選べばいいんだ。それならいいや。それはいいんだけど、読み飛ばしたいところも律儀に朗読してくれるのはちょっと辟易するかも。

たとえば「チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809年-1882年)」の「(1809年-1882年)」の部分とか。普段は読み飛ばしちゃうんですが、朗読はおとなしく聞いておくことしかできない。いやこれはわたしが普段からちゃんと読めって話か……。

でもねえ。最大の問題は、文字の情報量に比べて音の情報量が少ないことかもしれない。

だって朗読聞いてて「しよう」って聞いてすぐに漢字を思い浮かべられる人いますか? まあ文脈でわかるっちゃわかるのですが、「止揚」って文字を読んだ方がすぐにわかりますよね。

あと、()「」で説明されている文がわかりにくい。たとえば文章で「ネオテニー(幼形成熟)とは」と書いてあったとするじゃないですか。文字だと区切りがすっきりわかりますよね。

だけど朗読だと「かっこ」「かっこ閉じ」を読んでくれないから「ねおてにーようけいせいじゅくとは」ってそのまま読まれるんです。これ、例えが上手くないのでちゃんと説明できていないのですが、とにかくわかりにくくて……。

うーん。なんか……否定的な意見ばかりが出てくるな。

これは認めなければならないかもしれない。わたしにはオーディブルが向いていないのだと……。

でもなあ。散歩中に本を聞ける利点は捨てがたい。一時間くらい歩くこともあるし、その時間を読書に充てられるのは大きな利点だ。

でも、月額がちょっと高いわりに不満が多いかな……。どうだろう。慣れの問題か?

とりあえず、もう少し様子を見てみる。

---追記---

ちょっと待って。オーディブルって、図表がある場合に不便すぎない……? うわあなんか脱力した……。そういえばそうじゃん……。

それにオーディブルは紙の本に比べると付加的な情報がまったくないんだよな。カバー裏のあらすじも読めないし、そでの文章も読めないし、見返しに何が書いてあるかも見れないし。

『ゲド戦記』みたいに見返しに地図があった場合、それも付属資料として添付してくれるのか? 他にも『三体』みたいに登場人物表がついている場合はどうするんだろう。

え、っていうかもしかして奥付も見れないの? ということは翻訳された本の扉に書いてある原題と出版年とかも読めないんだね? ついでに本の最後にあるシリーズの紹介とか本の紹介とかもないんだ……。そんなあ……。

あれ? そういえば注釈とかはどうなっているんだ……? ええ……?

もうこれ以上減点ポイントを増やさないでくれ……。今すぐやめたくなる……。

紙の本がいかにわたしにとって優れているかがわかる。一目でどれくらいのボリュームかわかり、ちょっとあらすじやさわりを読めば話の雰囲気がわかる。オーディブルでも話の雰囲気は目次を読めばいいんだろうけどさ、文章の相性ってあるじゃん……。

それに紙の本なら、今自分がどのくらい読んでいてあとどのくらいで読み終わるのかがページの厚みでわかるからラストに向けて自然と緊張感が高まっていく。オーディブルのように残り時間で表示されてもピンとこない。

ううう。なんかやっぱりわたしには向いてないかも。やめようかな。

---追記---

やめました。わたしはやはり紙の本が好きです。

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