だって『ストレンジャー・シングス』のフィン・ウルフハードが出ていたから……。あの子めっちゃいい。アンニュイな見た目と少年らしい粗雑さが不安定に混在しているのがいい。
初代『ゴーストバスターズ』の内容をほとんど覚えていなくて、初代から引き継がれている設定とか伏線がいまいちわからなくて残念。
映画の雰囲気としては、ちょっと前に流行った80年代アメリカを彷彿とさせる作り。
『ストレンジャー・シングス』から始まった流行、つまり80年代少年少女青春ノスタルジックを現代ナイズしている感じがした。まあ『ゴーストバスターズ』自体が80年代の映画だから当然といえる。
もしわたしがゴーストバスターズファンだったらもっと楽しめただろうに……。いやでも、逆にファンじゃないから過剰な期待をせずに楽しめたのかな。
だって2016年にリブートされた女性版『ゴーストバスターズ』もわりと平気で観れたし……。まあセンスのない下品なギャグにはちょっと賛同しかねるけど、それなりに楽しめたような記憶がある。
もし筋金入りのゴーストバスターズファンだったら、評価は違っていたかもしれない。
最近の映画ってテンポよくて脚本も無難でCGも俳優も監督もそれなりに上手で、ひっかかりなくスムーズに観れるのが美点でもあり難点だよね。
『ゴーストバスターズ』という大作に続く作品として、高い期待に応えなくてはいけないしヒットさせなければいけない。そういうプレッシャーがあっただろうから、手堅くヒットを狙う作品になってしまうのは仕方ないね。
肝いりの作品は安心して身を任せられる。一定のおもしろさを約束されているから。でも、そのおもしろさってさんざん研究されて理論化されたストラテジーな気がしちゃうんだよな。
だからわたし個人の性癖をえぐるような作品にはなり得ないし、心に傷をつけていつまでも記憶に残り続ける作品にはならない。
初代映画の俳優が一堂に会するところとか亡くなった俳優が出てくるところとか、めちゃくちゃ熱いシーンで感動したし涙もでた。
初代ファンも新規ファンも納得する出来栄えだったと思う。映画としての完成度は高いっちゃ高いんだけど、ちょっと惜しいのは無難な印象が拭えなかったところかな……?
全方位を満足させようとすると尖った作品は作れないのかもしれない。でも往年のファンが感じていたであろうワクワクを再現しようとする姿勢を感じたし、そのワクワクの片鱗も味わえた気がする。
でも「気がする」だけで、やっぱり映画体験ってリアルタイムが大事なんだよなあ、と今更思う。
初代『ゴーストバスターズ』をリアルタイムで体験していないわたしには、この映画の評価を正当に下すことはできないのかもしれない……。
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