※ネタバレあり
たったひとつのアイディアで一点突破しようとした作品。 こういう作品ってインパクトあって人に勧めやすいですよね。
過去だと思っていたものが実は現在で、現在だと思っていたものが実は回想だった、というのは文句なしにおもしろい。わかりやすくて驚きもひとしおだった。
てっきり過去の南北戦争時代だと思い込んでいたらじわじわと「なにかがちがう」という予感が迫ってきて、満を持して上空を飛行機が飛んでいく……。
そういうことか、ってびっくりした。びっくりはしたんだけど、あまりにも慎重にバレないようにそこまで進めたせいで、映画の中盤まで(つまりネタバレまで)が前振りになってしまった感じは否めない。
ネタばらしまでのシーンが平板な前座になってしまったような気がして、もっとうまくできなかったものかな……と思ってしまう。いや、十分にうまいんですけどね。それでもね。
だって「いつになったら映画が本格的にはじまるんだろう?」って不思議に思って観てたら映画の中ほどでやっと勢いがついたので「遅くない?」と感じてしまった。
助走が長すぎてジャンプの勢いがそがれてしまったような気がする。いいアイディアだっただけに、もっと高くまで飛べたんじゃないかと惜しい気持ち。
ネタばらしをしてからの展開もすこし緊張感に欠けていたかも……。まあそれくらいゆるい方が観やすいんですけどね。
監督の経験が浅いのかな? と失礼ながら思ってしまったんだけど、どうやらこの映画が長編デビュー作らしい。前は短編を撮っていたんだろうか。それなら納得かもしれない。
惜しい点はあれど、アイディアはすごくよかった!
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