2024/08/04

映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』感想

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は大学生の頃に親友が観て大感動していた作品で、気になってはいたのですが……。大学生の時に観ておくべきでした。

大学生の頃ならこの作品に耽溺できたかもしれない。いやはや惜しいことをした……。作品を観るのに一番いい時期を逃してしまいましたね。

ブラッド・ピットとトム・クルーズの共演なのでこれは心して観ないといけないぞと構えてずるずると視聴時期を延ばしていたのがいけませんでした。

このふたりのケミストリーが上手くいっていたかというと、いまいち確信が持てない……。でも、このふたりじゃないとこれだけ有名な作品にはなっていなかっただろうな……。

トム・クルーズとブラッド・ピットがヴァンパイア役をするという異色の作品だからこそ耳目を集めたんだろうし……。

映画の見どころも俳優の美しさや耽美な雰囲気だと思うので、脚本の良さや巧みな演出に着目して視聴する人にはちょっと物足りなかったかもしれない。

トム・クルーズが思ったよりもヴァンパイア役にはまっていて驚いたな。すごく痩せていたけど、この映画のために痩せたのかな? そうだとしたらすごいよ、あの痩せ方は……。

この映画の二年後に『ミッション:インポッシブル』が公開されているんですよ? 撮影時期はズレているだろうけど、役柄によって痩せたり筋肉をつけたり俳優って改めて過酷な仕事だなあ。

ブラッド・ピットは最初の方はヴァンパイア役に違和感があったんですよ。だけど後半になるにつれどんどんヴァンパイア然としていった。あの違和感はルイの人間性がまだ残っていることをあらわしていたんだな。すごいよ、役への理解とその表現力が。

クローディア役のキルスティン・ダンストは幼い頃からとんでもない美少女だったんだね。演技も鬼気迫るものがあったし、天性の俳優気質なんだろうな。

キルスティン・ダンストでパッと思い浮かんだのが『スパイダーマン』なんだけど、調べてみると『マリー・アントワネット』も彼女だったらしい。おもしろかったなあ……。ドレスがよく似合うね、キルスティン・ダンストは……。

原作小説があるみたいだけど、小説のラストは映画と同じなのかな? あのラストは小説で読むとそれほど違和感がないのだろうか。映画で観るとちょっと戸惑いがあったけど。いや何故そこにレスタトがいるんだ……という戸惑い。

まあ絵的におもしろかったし余韻としては良いラストだったと思う。古びたレースのついた服を着たレスタトが車を乗り回しロックが流れ、近代的な都市の遠景で終わる……。うん、いい。いいシーンのために多少の破綻は押し切るというのはわりと大事なのかもしれない。

この豪華俳優陣で、さらにリヴァー・フェニックスが出演していたら完璧だったのに……。いやクリスチャン・スレーターはすごくよかったですよ。だけどリヴァー・フェニックスだったら耽美な雰囲気がさらに高まっていただろうに……。

なにはともあれ、トム・クルーズとブラッド・ピットが好きなら観てもいいと思う。ただ、アドレナリンがドバドバ出るタイプの映画が好きな人にはオススメしないかもしれない。

絢爛たる室内装飾や煌びやかなドレス、男性の長髪と女性の巻き髪、夜の世界、そしてヴァンパイアの美しさや悲しみ、そういうものにしみじみと感じ入ることができる人はおもしろく観れると思う。

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