2024/08/16

足に本が触れたとき

さっき初めての経験をしたので、記録に残したい。表題のとおり、足で本に触ってしまった。

読んでいる人にはなんのことかわからないかもしれない。いや、書いてある通りなんだけど。とりあえず経緯を記す。


図に示すとおり、わたしはベッドの足側で壁を背にして本を読んでいた。ふと眠くなって、いつのまにか傍らに本を置き、身体をずらして枕に頭を乗せた。ウトウトとしてふいに足を移動したら、足が何かに触れて、「?」と思った次の瞬間それが本だと気づいて鳥肌がたった。

なんだか不思議な心地がしたんだよな。禁忌を冒しているような。お地蔵さんを足蹴にしているような。女体の肉に足をうずめているような。なにか尊いものに裸足で触れている感覚。

考えてみたら、足で本を踏んだことって今までにない……と思う。レベルが違うかもしれないけれど、踏み絵ってこの感覚を極大に引き伸ばしたものなのかな。

聖なるものを裸足で踏み荒らす背徳感って、決して不快な気持ちだけではない……と正直に言って思った。身体の奥底から震えがくる。それは甘美といってもいいかもしれない。

しかもそれが、図書館から借りた本だったんですよ……。自分のものならまだしも、神聖なる図書館から借りた本に、わたしは足で触れてしまった。責められても仕方がない。

左足に少し触れただけで、本は物理的に損なわれたわけではない。だけど、この本を黙って返していいものか……。

かといって、「足で触れてしまったので弁償します」と図書館員さんに申告するか? 頭がちょっとおかしいと思われないかな。

うわあ。まだ左の足先にあの感触が残っている。足がしびれたみたいになってる。

この罪をわたしは抱えてこれから生きていくんだな。その罪を犯したときに否応なく生じたあの戦慄の記憶とともに……。

お盆の最終日にすごい体験をしてしまった……。おそろしい。本当にぞっとする出来事でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

あさのあつこ『バッテリー』感想

ここ数日間、本当に『 バッテリー 』のことしか考えてなかった。一日に一冊、時に二冊読んでいて、さっきⅥの完結編を読み終わったのですが、この、行き場のない気持ちをどうすればいいのか、わからない。 感想ブログなんてものをしているわたしだけど、実は読んでも感想を書かない場合もあって。 ...