というか、ブレイドシリーズの脚本書いてたデヴィッド・S・ゴイヤーが今回監督をしていたんだけど、ゴイヤーさん、めちゃくちゃすごい映画の脚本書いててびっくり。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『ターミネーター:ニュー・フェイト』では原案・脚本・製作総指揮。そっかあ……ふむ。なんとなく雰囲気がわかってきたかも?
今回の『ブレイド3』、前作に比べてダークだなあと思っていたんですが、ゴイヤーの作風なのかな。雰囲気がどことなく重かったり、登場人物がけっこう陰惨な殺され方をしてたから……。
そんな重苦しい雰囲気の中でライアン・レイノルズがひとりでおちゃらけ担当してがんばっていましたね。彼がいなかったらおもしろさ半減していたかも。
そしてとうとう、ウィスラーが、死んだ……。ブレイドを息子だと思っているとか言い出したからいよいよか……と覚悟していたら、あっけなく散りましたね。だけどもう悲しくなかった。一回蘇ったからもう十分かな、と思って。
今回の宿敵はヴァンパイアの始祖だったわけだけど。正直、最後の戦闘シーンは尻すぼみだったかな……。いまいち盛り上がりに欠けた。カタルシスがなかったね。
ふむ……。なんか、映画作りって不思議だよね。脚本は当たり前に上手い。金も時間もかけてる。登場人物も興味深い。撮影はプロが仕切ってる。すべてがきちんと準備され、全員がおもしろいもの作ろうとしている。はずなのに。
なぜ、個々の映画によっておもしろさが違うんだろう……。すべての映画がおもしろくなるはずなのに、おもしろくない映画があるのは何故なんだろう。おもしろさの決め手が監督の手腕なんだろうか。
今回の映画はチグハグな印象を受けたんだよな。派手で見栄えのいいシーン、緊迫のシーン、衝撃的なシーン、それぞれを切り貼りしているような。全体として統一感に欠けているというか。
それに比べると、上手な監督が撮った映画って全体のトーンが調和しているというか、一本芯が通っているような気がする。絶対揺らがない硬い中心点がある、みたいな。すべてが映画という一本の世界を貫いて収束し、ラストのカタルシスまで繋がっている。
この映画がそういう一本筋の通ったいい映画だったかというと、そうだと断言できないなあ……。そういうわけで、ちょっと物足りない映画だったかもしれない……。
わたしたちは確かに派手なカーチェイスを求め、アクションを求め、剣戟を求めている。だけどそれだけじゃ満足できない。もっと何かが欲しい。その何かが具体的に何かといわれたらわたしもわからないですけど……。映画って奥深いですねえ……。
『ブレイド』はもうすぐリブート版が公開されるから、そちらも注目ですね。果たしてどうなることやら……。