2024/01/25
映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』感想 ※ネタバレあり
#1025 吉本ばなな『吉本ばなな自選選集〈3〉Deathデス』感想
2024/01/23
映画『コンテイジョン』感想 ※ネタバレあり
2024/01/20
#1024 丸谷才一『月とメロン』感想
軽く読めるものが読みたくて図書館で見かけて借りてきました。
丸谷才一さんの本は、言うのも恥ずかしいのですが読んだことがなく……ぶっちゃけ有名な人ということしかしりません。
文語で書かれていて扱っている内容もけっこうお堅い話題ばかりだったのに、彼の軽妙な語り口のおかげでスラスラ読めました。
内容も面白いし適度に高尚で適度に低俗なので読みやすかったなあ。ただ、一般女性が興味を引く話題というのはあまりなかったですね笑。
出版社の社史とか昭和史とかに興味のある一般女性がいたらこの本をオススメします。
ただ、この本にでてきたデズモンド・モリスの『裸のサル』と『マンウォッチング』『ウーマンウォッチング』は見かけたら読んでみようかな。
特に面白くて覚えているのは、ゲイは見ただけで相手がゲイだとわかる理由。それはゲイのコミュニティに属することで同化作用が働き、集団の行動がだんだん似てくるということでした。
他にも「ネオテニー」の話とか面白かった。
わたしも小説ばかり読んでいないで、もっと史実や科学に基づいた本を読んでいこう。
映画『ブラックホーク・ダウン』感想 ※ネタバレあり
お、おもしろかった……。監督リドリー・スコットなのね。納得しました。
わたしはミーハーなので戦争ものの映画に特に入れ込んでいるというわけではないのですが、制作側が気合を入れて作った作品が多いので、結果として名作になり好きになるというパターンが多いですね。
『フルメタル・ジャケット』とか『ダンケルク』とか好きです。特に『フルメタル・ジャケット』はいつか記事に書きますが、いろいろと言いたいことがたくさんで大好きです。
ブラックホークが撃墜された場面では、泣くシーンでもないのに涙がにじみました。なんちゅうすごいものを見せてくれているんだ……という感動。
名作映画って、場面のひとつひとつがグイグイと脳に刻み込まれていく。登場人物の所作のひとつひとつがしっくりと感情になじむ。
日々の雑事や批評的視点なんて放棄して、何も考えずに映画に熱中できました。
なぜあの戦争にアメリカが介入しなければならなかったのか、そこらへんのことはわたしにはわかりません。そのわからなさがどうしようもなく虚しさを感じさせて、最後の遺体が並んだシーンではなんともいえない気持ちになりました。
ガリソンが兵士の治療中に流れ落ちた血を拭うシーンがあったけど、あれはガリソンがあの一連の作戦の全責任を負ったという暗喩だったんだな。
アイディードが戦死した翌日にガリソンが退役したというのは、やはり悔悟があったからだろうか……。
兵士も兵士の家族も、それが任務だからという理由だけでお偉いさんに地獄に送り込まれて、どういう気持ちでいるんだろう。
「なぜ?」が積み重なっていく。戦争というものに対して、わたしは途方に暮れて「なぜ?」と問うしかありません。
この映画は良すぎて語ることができない……。
無駄なことは語らず、黙って二回目視聴します。
2024/01/17
映画『INTERCEPTOR/インターセプター』映画 感想 ※ネタバレあり
#1023 スティーヴン・ミルハウザー『三つの小さな王国』感想
2024/01/14
映画『イン・ジ・アース』感想 ※ネタバレあり
2024/01/13
#1022 L・M・オールコット『若草物語』感想
#1021 『ひとつ、むらかみさんで やってみるか』感想
「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
この本の正式名称ですね。長い! このシリーズの名前は覚えられない。
質問もどんどん多くなってきて、今回の本は読むのに時間がかかりました。
この本が発行されたのは2006年。なんだか、のんびりした良い時代だったんだなあと思いました。
質問の選定基準がそうだとは書かれていたけれど、のんびりしたゆるい質問が多くて読んでて癒されました。
まあたまにはまじめな質問があったりしてそういう場合は村上春樹もきちんと答えていたけれど。
村上春樹のことが大好きな読者たちがルンルンでメールを出して、それに対して村上春樹がのらりくらりと返答するという素敵な本でした。
メールを送ってくる読者さんたちの文面がかわいいんですよね。擦れていないというか。今のインターネットにこの文面で書いたら「古い」とか「痛い」とか言われそうな文章で。
比較的最近に書かれた『村上さんのところ』を読んだあとだったので、読者が送ってくるメールにギャップを感じました。
『村上さんのところ』に送られてくるメールはみんな暗くて真面目でそつのないメールという印象があります。
それに比べたら、この「ひとつ、村上さんでやってみるか」は村上春樹にも茶目っ気があって適当にくだらなくて最高でした。
この本が発刊されたのは今から18年前か……。世界がこんなふうになっていくなんて、だれが想像できただろう。
この本のすごいところは、ところどころに村上春樹が本を書く理由みたいな重要な情報が書かれているところですね。
そういう重要なところだけ覚えていたいけど、いかんせん情報量が多すぎてすぐ忘れてしまいます。
まあいいか。
今度は『少年カフカ』を読もうと思います。その前に『海辺のカフカ』を読み返したいな。
2024/01/11
致命的な盲点を発見しました。
わたしはこの本と映画ブログを完全に個人的な観点から書いています。
なので、おもしろいかおもしろくないか、わたしのものさしで測っているんですよね。
まあ本も映画もそれなりの数観てきたし、けっこう公平な評価ができるんじゃないかと思っていたんですが、それは大きな思い上がりでした。
わたしは感想を書くとき、他の感想を読んだり他の意見を聞いたりせずに書いています。
けれど会話のなかで映画の感想を言い合ったり、SNSで感想を見かけたりすることがあるんですよね。
それで気付いたんですが……。
わたしは映画のなかの「家族との心の通い合い」「人と人との関係性」みたいなものに価値を見出せていなかったんです。
そこを面白ポイントとして加算することをしていなかったんです。
なんということでしょう。
それに気付いたのはふたつの映画の感想を聞いたり見たりしたことがきっかけでした。
『エブエブ』についてあるお方とお話していたときに、その方は「ウェイモンドが次元を超えてエブリンを愛しているのが感動した」と仰っていたんです。
わたしはその点に全く注意を払っていなくて、それを聞いた時に目から鱗が落ちたような気がしました。
たしかにそれって考えてみるとめちゃくちゃ感動的じゃん。だけど、今までそれに気付かなかった……。
あとひとつの映画は『M3GAN』。SNSに感想が書いてあり、その人は親と子の関係性やアンドロイドと子の関係性におもしろさを見出していました。
たしかにそうじゃん……。そこに注目してみるとまた違った面白さがあるのに、わたしはホラーとして面白いかどうかで判断していた。
まあ、仕方ないことではあるかなあと思います。
わたしは両親に愛を感じたことはないですし、きょうだいに対しても壁があります。一応トータルで好きではあると思うんですけどね。でも愛や情というものがわかりません。
どこまでも孤独な人生です。わたしの世界にいるのはわたしのみ、それ以外は異物、ただ孤独だけがわたしに寄り添っている。それだけで生きてきました。
なので、わたしには致命的な盲点があるのでしょう。
心が石になって死んでいるところ、脳のシナプスが極端に薄いところ、魂が一部欠けているところ。それがわたしのなかにあります。
まあ、人生ですもの、そういうこともありますよね。
わたしはこれからも自分の観点からしか物事を見ることができません。
偏った映画評や書評を続けていくのでしょう。
でもそれでいいのかな、それしかできないな、と諦めます。
これからもこのブログは偏った個人の思考によって運営されていくことを表明いたします。
それでは。
映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』感想 ※ネタバレあり
ネットフリックスで目についたので観てみた『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』。
これは……おそらく原作があるのかな? 原作ファンにはとても楽しい映画だろうけど、わたしのような原作を知らない勢にはふつうのド直球王道ファンタジー映画でした。それ以上でも以下でもないかんじ。
あまりにもド直球王道ファンタジーすぎて逆に面白かったかな。なんかメタ的などんでん返しがあるのかなあとちょっと期待したのですがそれもなく……。
だけどゲームっぽい世界観で作られた映画を観るのは楽しいですね。わたしはゲームをしないので、ゲームってこんなかんじなのかなという感覚を経験できました。
キャラクターも全員魅力的だし、台詞回しも小気味でいいし、ギャグもおもしろいし、シリアスの塩梅もいいし、お手本的におもしろい映画でした。
ただ、お手本映画に飽きちゃうわたしは三日かけて少しずつ観ました……。
だけど俳優陣が全員良かったなあ。特によかったのがソフィーナ。狂気の目してましたよね。まじで怖かった。
魔法の表現もおもしろかった。女性陣もいろんな良さがあったし。ホルガもドリックもよかった。
デブのドラゴンも変わっててかわいくておもしろくて良き。
全体的に平均的におもしろかったです。
これ、原作勢からしたらめちゃくちゃ面白いんだろうなあ。
原作勢の感想を聞いてみたいですね。
映画『M3GAN』感想 ※ネタバレあり
予告でのミーガンの奇妙なダンスが面白くて、配信されるのを楽しみに待っていた『M3GAN』。
感想としては……。うーん。この映画、アリ・アスターの『ヘレディタリー 継承』のあとに観たんですよ。数日空けてですけど。
『ヘレディタリー 継承』を観たあとだと、ちょっと安っぽく感じてしまって……。
驚きがなかった……。ただただ、ミーガンというちょっと不気味なAI人形が予想の範囲内のことをしていくだけ。
あの予告に使われていた奇妙なダンスも、映画本編だとほんの一瞬だしそもそもどうしてあそこで踊った? という疑問が湧くシーンになっていて……。
映画のことをあまり悪く言いたくないけど、この映画、褒めるところを見つけるのに苦労してしまいます。
あのミーガン役の女の子の驚異的な身体能力には目を瞠るものがありますが、それに頼りすぎじゃないでしょうか。
怖いシーンに関しても、もっと本気を出せば怖くできたんじゃないかという疑問も残ります。森の中でいじめっ子の男の子を追いかけるシーンとか、もっと上手に撮ればもっと怖くできたんじゃないでしょうか?
気に食わない犬やおばさんを次々殺していくのはスカッとしますが、わたしはスカッと映画ではなくてホラー映画を求めているんです……。
この映画ブログ、観終わってから感想を大体書くようにしているのですが、『M3GAN』は感想を書く気になれなかったです。書くことがなさすぎて。
脚本も撮り方も大人しすぎるという印象を受けてしまった。ホラーなんだからもっと狂気が欲しかった。「観客を怖がらせてやるぞ!」という意気込みが欲しかった。これはわたしのワガママか……。
ホラーなのに大人しい印象を残すだけの映画となってしまったかんじがあります。
妹から聞いたのですが、「ホラーとギャグは紙一重」という言葉があるそうです。たしかにそうですよね。
この『M3GAN』という映画は、ギャグに走らないよう慎重になった結果、ホラーとも言えない映画に着地してしまったのかなあと想像したりします。
ミーガンの見た目とかテーマとかキャッチーで最高なんですけどね。はあ、もったいない……。
誰か『M3GAN』のおもしろさをたくさん語れるという方がいたらぜひ連絡ください。わたしもこの映画のおもしろさをたくさん見つけたいから……。
なにはともあれ、『M3GAN』はわたしにとってはちょっと残念な映画でした。期待が高すぎちゃったのかな……。
2024/01/05
映画『ヘレディタリー 継承』感想 ※ネタバレあり
アマプラで一度観てからもう一度観たくて観たくて、ふと探してみたらあったのでさっそく観てみました。
ということで、新年一作目の映画はアリ・アスター監督の『ヘレディタリー 継承』となりました。
名作のすごいところって、大体のシーンを覚えているところですよね。
駄作だと「こんなシーンあったっけ?」となるのですが、名作だとすべてのシーンに見覚えがあってそれをちゃんと時系列で覚えています。
一回目に見たとき、ありきたりなホラーに飽き飽きしていたところでこの作品を観たので、まじでひっくり返るどころか凍りつきました。
なんだこの身に覚えのない恐怖は……。
ありがちな恐怖アイテムや恐怖シーンからすべて逸脱している。
人間の見得る限り最悪の脈絡のない悪夢。それが映画として結実している。
アニーが完全に壊れてしまってからのシーンの連続は戦慄しました。本当に画面から目が離せなかった。
人間があんな恐怖を想像しうるものですかね?
疲れ切って起きたら、見慣れた自分の部屋の上の隅に母親(らしきもの)が潜んでいる。
それが音もたてずに天井を横切っていく。それは自分を見ている。
家を取り囲む全裸の男女……。
屋根裏の扉に頭を打ちつける女。
家に入り込んでいる見知らぬ人々。
空中に浮かんだ自分の首を刺す女。
首を刺す音がどんどん速くなっていく……。
悪夢。これ以上ない悪夢です。
そして身体を奪われ、いつのまにか絡め取られていた悪魔崇拝の依り代として祀り上げられる。
作品全体を覆う不気味さに下品さはなくて、驚かせてやろうという魂胆も見えない。
ただただ悪夢を淡々と見せられる。
こんな上質で最高に怖いホラー作品が過去にありましたか?
『エクソシスト』くらいしか今は思い浮かびません。
やはり名作は何度観てもいい……。
そう思わされました。
アリ・アスターは天才だ。
#1020 湊かなえ『告白』
2024/01/01
2024年あけましておめでとうございます。
あさのあつこ『バッテリー』感想
ここ数日間、本当に『 バッテリー 』のことしか考えてなかった。一日に一冊、時に二冊読んでいて、さっきⅥの完結編を読み終わったのですが、この、行き場のない気持ちをどうすればいいのか、わからない。 感想ブログなんてものをしているわたしだけど、実は読んでも感想を書かない場合もあって。 ...
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あんまり俳優やアイドルに熱狂することはないんですが、局所的に心臓を刺されることが時たまあるので、映画のなかでキュンときた男たちについて語ってみます。 まず、キアヌ・リーヴス。若い時のキアヌが特に好きで、『 マトリックス 』とか『 コンスタンティン 』も好きだけど、『 マイ・プライ...
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アニメシリーズと『ロンド・ロンド・ロンド』を観てから視聴しました。 すっごかった……。映画の新しいあり方を見せてくれたような気がする。その新しいあり方の名前がつまり「ワイルドスクリーンバロック」ということなんだね。 『ロンド・ロンド・ロンド』を観て改めて思ったんだけど、この物語っ...
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クレヨンしんちゃんの映画を初めて観たんだけど、いい!! めっちゃよかった。 このブログに度々出てくる(というかその人しか出てこない)某さんにまたまた教えてもらって観ました。 某さんとね、先日お会いしましてね……。眩しいくらいの美人で目ん玉飛び出ました。お会いしているあいだ夢見心地...