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- シャーロック・ホームズの回想
- 緋色の研究
- シャーロック・ホームズの生還
- 四つの署名
- シャーロック・ホームズ最後の挨拶
- バスカヴィル家の犬
- シャーロック・ホームズの事件簿
- 恐怖の谷
2024/05/27
アーサー・コナン・ドイル『四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集』感想
ダレン・シャン『デモナータ 7幕 死の影』感想
2024/05/21
映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』感想
2024/05/20
映画『ゴジラ-1.0』感想
普段は邦画をぜんぜん観ないのですが、これは話題になっていたので観てみた。
正直にいうと邦画が苦手なのですが、これはおもしろかった! いい意味で予想を裏切られた。
何故か日本人の俳優の演技に共感性羞恥のようなものを感じてしまって観るのが辛いのですが、その辛さが気にならなくなるゴジラのえぐい良さみ。
日本の映画でこんな素晴らしい映像を観れる日が来るなんて……。ゴジラシーンだけ延々と観ていたい。
ゴジラが想像を超えてよすぎた。なんなら『シン・ゴジラ』のゴジラと同じくらい好きかも。
ゴジラ登場シーンであまりのゴジラの良さにあっけにとられました。これ本当に邦画……? 極めつけは銀座で熱線を放出したゴジラ。あそこで邦画への抵抗感が一気に払拭された気がする。
ひねくれているのでなかなか邦画を受け入れられないのですが、この映画はゴジラがあまりに良すぎて……。
なんかヒットした理由がわかるな。だってゴジラのシーンだけもう一回観たいもん。うーん、『シン・ゴジラ』の時も思ったけど、なんでゴジラってこんなに中毒性があるんだ?
とりあえずわたしが好きだなと感じるのは、圧倒的に巨大な未知の力を人為の力でねじ伏せる希望の物語だから。
わたしが知らないだけかもしれないけど、そういうどでかいスケールで邦画を作ってくれるのってゴジラ映画くらいな気がしてて……。(あ、ウルトラマンがあるか……?)
「圧倒的に巨大な未知の力」が襲ってくる映画といえば海外でいうと宇宙人とか恐竜とかがあるけど、日本のゴジラはなんとなくキャラクター的というかユニークというか。怖いけどどこかかわいげがあるよね。そこが好きかも。
これって続編があるのかな? 続編ぜったい作ってくれー! 楽しみにしてる。
2024/05/19
映画『アリス・スウィート・アリス』映画
※ネタバレあり
この映画はアマプラで観たんですが、サムネが超絶美少女なんです。てっきりその美少女の映画だと思ったら映画が開始してすぐに殺されてしまいました。本当にがっかりした……。
そして観終わったあとで調べてみると、その美少女って『青い珊瑚礁』で有名なブルック・シールズだったらしいではないですか。わたしは『青い珊瑚礁』は観たことがないのですが、それに出ていた少女が有名なのは知ってたのでなるほどと思いました。
この映画はスラッシャー映画なのですがまずはブルック・シールズの話をしていいですか。本当に美少女だったんです……。
映画のタイトルにもなっているアリスってブルック・シールズのことかと思ったら違ってて、シールズはカレンという名前なんですが最後までちょっと混乱してました。だってブルック・シールズの方がアリスという名前にぴったりなんですよ。
どうやらブルック・シールズがこの映画のあとに人気になったのでタイトルを変えてシールズが主役かのように宣伝していたみたいです。主役のポーラ・シェパードには申し訳ないですがさもありなん、と感じてしまった……。本当にすまない。
シールズが美少女すぎてもう一度登場シーンを見直しましたもん。ブルック・シールズをもっと見たい……。他の作品も見たい……。お金かかってもいいから、借りようかな……。それほどまでに見たい。
ブルック・シールズを映像で見るまで、わたしは『青い珊瑚礁』にはそこまで興味がありませんでした。ヌードが出てくるらしい(?)から騒いでいるんだろうと思っていたのですが、ブルック・シールズがあまりにも美少女だから有名だったのかな。
ブルック・シールズの話で終わってしまいそうなので彼女の話はここら辺にして映画の話をしよう。
1976年の映画なんだけど、この時代の映画って服装や調度品が上品で古風でかわいいですよね。
不思議だったのが、俳優の顔の区別がつきにくかったこと。いつもならそんなことないんだけど、この映画はなぜか誰が誰かわかりにくかった。集中できてなかったのかな。
母親と姉が似ていたし、父親と刑事の顔の区別が最初つかなくて、犯人のおばあさんも一瞬ピンとこなかった。典型的な美男美女の俳優のせいかもしれないし、わたしのコンディションの問題かもしれない。
よく考えると矛盾しているところがたくさんあるけどあまり気にならなかった。やっぱり映画に身が入っていなかったのかもしれない。
もしかしたら、アリスという名前が『不思議の国のアリス』を連想させて、その物語が持つ圧倒的な寓話のイメージが知らぬ間に作用して、論理の破綻に対する抵抗を弱めたのかもしれない。
それに少女が主人公だというだけでわたしの評価基準は甘くなる……。少女という存在はそれだけで希少で価値のあるものだから。それにこの映画は少女の「残虐性」が魅力で、それには抗えない……。
映画のラストは不気味で意味ありげでよかった。アリスは一連の殺人の犯人ではなかったけど、殺人者としての素地はもともとあって、それが開花したんだろうなあと想像が広がるラスト。
なにはともあれ、ブルック・シールズを知ることができてよかった。ごめんなさいね、ブルック・シールズの話ばかりで……。でもそのくらい衝撃的に美少女だったんです……。
主役のポーラ・シェパードも迫力のあるいい演技していたんだけど、ブルック・シールズの美貌の破壊力に参ってしまいました……。
シールズを主役に見せかけたのはちょっと卑怯ではないかと思うんだけど、製作者の仕掛けた意図にまんまとハマってしまったわけで、今はむしろありがとうと言いたい。
ブルック・シールズの他の作品も観たいな。
映画『ナイトメア・アリー』感想
映画『サイン』感想
2024/05/14
オーディブル所感
オーディブルね……。初月無料期間中に作品を聞き終われなくて二か月目に突入してしまったけど……。続けるべきか、続けないべきか……。今のところ、「続けない」に気持ちが傾いている。
最初に聞いた作品が悪かったのだろうか。小説を聞いちゃったからな。まさか朗読するとき熱心に演技するとは思っていなくて面食らった。わたしは淡々と読んでもらいたいんだけど。
それで、小説がいけないんだと思って進化論の本を選んでみました。さすがにこれなら演技の余地はないだろうと思って。そうしたら、なんと笑えることに、この本でさえナレーターがノリノリで調子をつけて朗読していました。
いやはや。うーん。いや、うん。わたしの方が少数派なんだ。たぶん、淡々と読まれるより強弱つけて大げさに読む方が好ましい人が多数派なんだろう。たしかに、一本調子で読まれると不愛想だし抑揚がないから頭に入ってこないのかもしれない。
じゃあ、粛々と読んでもらえない問題は仕方ないとして。次の問題は読み終わるまでの時間が長いことかな。
普通に紙の本を読むよりずっと時間がかかる。いやでも、そもそもオーディブルをはじめたのは、絵を描いている時や料理をしている時の耳が暇な時間を有効に使いたいという目的があったからだ。
時間がかかることはかかるけど、本来ヒマな時間を読書の時間にできるという意味ではいいのかもしれない。
でも短い時間こま切れに聞くことしかできなくてさらに読了までに時間がかかるんだよな。いやでも、音楽やラジオを無分別に聞くよりも自分で本を選べる分いいかもしれない。
それじゃあ時間がかかる問題も受け入れるとして、読むスピードの問題がある。
紙の本を目で追って読むスピードって一定ではないですよね。緊迫した場面では速くなるし、重要でない文はわざわざ一字ずつ読んだりしない。
でも朗読の場合は一文一文大体一定のスピードで進行する。もちろん聞いている人の聞きやすさを慮ってくれているんだろうけど、間延びした感じが否めない。
ああ、それは小説を読まなければ解決する話か。事実を列挙する本を選べばいいんだ。それならいいや。それはいいんだけど、読み飛ばしたいところも律儀に朗読してくれるのはちょっと辟易するかも。
たとえば「チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809年-1882年)」の「(1809年-1882年)」の部分とか。普段は読み飛ばしちゃうんですが、朗読はおとなしく聞いておくことしかできない。いやこれはわたしが普段からちゃんと読めって話か……。
でもねえ。最大の問題は、文字の情報量に比べて音の情報量が少ないことかもしれない。
だって朗読聞いてて「しよう」って聞いてすぐに漢字を思い浮かべられる人いますか? まあ文脈でわかるっちゃわかるのですが、「止揚」って文字を読んだ方がすぐにわかりますよね。
あと、()「」で説明されている文がわかりにくい。たとえば文章で「ネオテニー(幼形成熟)とは」と書いてあったとするじゃないですか。文字だと区切りがすっきりわかりますよね。
だけど朗読だと「かっこ」「かっこ閉じ」を読んでくれないから「ねおてにーようけいせいじゅくとは」ってそのまま読まれるんです。これ、例えが上手くないのでちゃんと説明できていないのですが、とにかくわかりにくくて……。
うーん。なんか……否定的な意見ばかりが出てくるな。
これは認めなければならないかもしれない。わたしにはオーディブルが向いていないのだと……。
でもなあ。散歩中に本を聞ける利点は捨てがたい。一時間くらい歩くこともあるし、その時間を読書に充てられるのは大きな利点だ。
でも、月額がちょっと高いわりに不満が多いかな……。どうだろう。慣れの問題か?
とりあえず、もう少し様子を見てみる。
---追記---
ちょっと待って。オーディブルって、図表がある場合に不便すぎない……? うわあなんか脱力した……。そういえばそうじゃん……。
それにオーディブルは紙の本に比べると付加的な情報がまったくないんだよな。カバー裏のあらすじも読めないし、そでの文章も読めないし、見返しに何が書いてあるかも見れないし。
『ゲド戦記』みたいに見返しに地図があった場合、それも付属資料として添付してくれるのか? 他にも『三体』みたいに登場人物表がついている場合はどうするんだろう。
え、っていうかもしかして奥付も見れないの? ということは翻訳された本の扉に書いてある原題と出版年とかも読めないんだね? ついでに本の最後にあるシリーズの紹介とか本の紹介とかもないんだ……。そんなあ……。
あれ? そういえば注釈とかはどうなっているんだ……? ええ……?
もうこれ以上減点ポイントを増やさないでくれ……。今すぐやめたくなる……。
紙の本がいかにわたしにとって優れているかがわかる。一目でどれくらいのボリュームかわかり、ちょっとあらすじやさわりを読めば話の雰囲気がわかる。オーディブルでも話の雰囲気は目次を読めばいいんだろうけどさ、文章の相性ってあるじゃん……。
それに紙の本なら、今自分がどのくらい読んでいてあとどのくらいで読み終わるのかがページの厚みでわかるからラストに向けて自然と緊張感が高まっていく。オーディブルのように残り時間で表示されてもピンとこない。
ううう。なんかやっぱりわたしには向いてないかも。やめようかな。
---追記---
やめました。わたしはやはり紙の本が好きです。
2024/05/13
凪良ゆう『汝、星のごとく』感想
ジェーン・オースティン『説得』感想
2024/05/12
マット・リドレー『赤の女王 性とヒトの進化』感想
2024/05/11
映画『バーバリアン』感想
※ネタバレあり
めっっつちゃ怖かった……。いやほんとすごく怖かったんだが……。久しぶりにホラーを見たから過敏になってたんだろうか。ずーっと小声で「こわいこわいこわい」って言ってた。映画止めて逃げたかったけど面白すぎて止められなかった……。本当に怖かった。
だけど怖いだけじゃなくてね……ちょっと切なかった……。とりあえず最近観たホラー系の映画で一番おもしろかった。
導入のなんでもないシーンからそこはかとなく緊張感が漂っていた。最初の数分観ただけでおもしろい映画だなってわかるのすごい。事前情報なしで観たから、どういう映画かぜんぜん知らなかったんですよね。幽霊系かモンスター系か怖い人間系かわからなかった。
最初にでてきたキースがいい人なのに嫌な予感が纏わりついてて、この俳優さん何かに出てたけど思い出せない……と思ってたら途中でピンときた。ワインを開けずに待っていたシーンで思い出した。あそこちょっとしたシーンなのにゾッとしました。
あの俳優さん『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のペニーワイズだ。見たことあるのに思い出せなかったのはピエロの格好してたからだ。
ペニーワイズだと気づいてからはキースのことが信用できなくなってハラハラしながら観ていたんですが、まさかそれがミスリードだったとは。上手いこと配役しましたよね。キースに疑いの目を向けておいてまさか死ぬとは。本当の化け物の餌食になってしまった。
地下の暗闇で四つん這いになったキースでまず心底ぎょっとしたんですが次にマザーが出てきた瞬間まじで誇張なく悲鳴あげて飛びあがってしまった。怖すぎ。怖すぎ。信じられないくらい怖かった。
いやはや、テスは死んだと思いましたよ。でも二週間生き延びてたんだ。そうか……二週間マザーはテスの世話をして(彼女なりの)愛情を注いでいたんだ。それで最後のシーンに繋がると思うと……。
なぜマザーはキースを世話せずに殺したのかと考えてみると、おそらく自分より背が高いからではないかなと思った。マザーのあのガタイの良さにはそういう理由があったんだと思う。マザー役の俳優は名前からしてたぶん男性だし、AJは背が低い俳優が演じていた。
自分より背が高い男性を殺すのはフランク(背が高い)に対する恐怖からだろうな。フランクのいる部屋には近づかなかったし。
今回観てて思ったのは「裸の人間が襲ってくるの怖すぎ」でした。服着た幽霊より怖い。それにマザーって背もでかいですが胸もでかくてそれが衝撃的だった。異形の生物に豊かな乳房がついている違和感がすごくて。
乳房が大きいのは深い母性の現れなんだろうな……。ただの殺人狂じゃなくて赤子に対する愛が溢れている狂人なんだ……。いわば被害者よね。あの地下で延々と赤ちゃんのお世話のビデオを観ていたんだ。
テスもね……マザーが憎くて殺したんじゃなくて、マザーは怪我した自分を地下に連れ帰ることしかできないから、殺すしかなかったんじゃないかな……。
とことん怖がらせておいて、最後にちょっと切なく終わるなんてずるいよ……。
うーん。思い返してみても怖い。それに新しい。そう、新しいから予想がつかなくてひたすらビクビクするしかなかった。
なにはともあれ、思いっきり怖がることができて大満足。記憶を消してもう一回観たい。それくらい良かった。
2024/05/09
ドラマ『ギルモア・ガールズ:イヤー・イン・ライフ』感想
※ネタバレあり
ええ!? ちょっと待って、これこのまま終わらないよね? すぐにも新しいシーズンが作られるよね? 今から面白くなっていくんでしょう?
うわああ……続編は人気次第ってことか……? ラストが衝撃的すぎて……。これ確実に製作側は仕掛けてきてるでしょ……。
だって「秋」でやっと主役級が揃ったじゃないですか。ディーンが出てきてスーキーが出てきて……。そう、スーキーですよ! スーキー出てこないの? ってヤキモキしてたから最後に出てきて本当によかった。
というか、ローリーの妊娠……、突然すぎない? まあ伏線はあったか。ローガンと素晴らしい夜を過ごした日にできたんだろう。ローリーの妊娠がすべてをかっさらっていったよな……。
はあ、パリスのことも気になるしローレライがホテル事業を拡大するのもこれからだしエミリーとジャックの関係も知りたいのに。
本当に続編希望。なんなら出演者がこれ以上年を取るまえにドラマシリーズ復活してくれ。
だって、ローレライ役のローレン・グレアムがギリギリだよ……? なんならエミリーの方が持ちこたえてて驚いた。
どうして、どうして……。ローレン・グレアム以外はほとんど変わってなかったのに。
ローレン・グレアム、他のドラマの役作りであんなになっちゃったの? それとも不摂生のせい? 声がガラガラだったから酒か煙草か……。
なんだかなあ。ローレライが、本当に……歳を取ってて。いや、歳を取るのはいいんです。問題は、他の出演者は驚くほど変わっていないしなんなら年齢を重ねて美しくなっているのに、なぜか彼女だけがしわくちゃになってることです。
顔立ちの問題かな……。眉がつりあがって目が小さくて意地悪そうに見えるんですよね。まあ好みの問題でしょうが。
女優の見た目にとやかく言うのはいけないことなのかもしれませんが、他の俳優が容貌を維持しているのを見ると……この違いは何? と思ってしまいました。いや、どこまでも好みの問題か……。
他の俳優も変わった人はいましたけどね。パティやスーキーは驚くほど痩せていましたね。特にパティは心配になるほど痩せていて心配になりました。
でも懐かしい面々が元気そうに出演しているのを見ると心が温かくなりました……。本当によかった……。
ただ、残念なのはリチャードが亡くなっていたこと……。でもその事実が物語に歳月の重みを加えていて、こう言ってはなんですがそれもまた定めだったのだろうなと感じます。
というか、今回は脚本がすっごくすっごく良くて。本編よりも好き。ユーモアも冴え渡っていた。映像も綺麗で撮り方も斬新でもう大満足。
ローリーとクリストファーの一場面もよかった。ひっかかっていたんですよ、なぜローリーはクリストファーに対して疑問を持たず普通に接することができるのか。むしろ甘いなと思っていた。普通なら恨みますよね。
だって孕ませた女の子になんの援助もせずに世間の荒波に放り込んだ張本人ですよ。男親の援助がなく苦労しただろうに、なんのわだかまりもないものだろうかと納得できませんでした。でも今回ローリーがクリストファーにぶつけた問いのおかげですっきりしました。
そう、クリストファーはひどい男なんですよ。ローリーにその問いをぶつけられてしどろもどろになる彼を見て、やっぱりこの男はギルモアの女たちにふさわしくないと改めて感じました。
それにしてもねえ。ローリーとローガンが……。その関係もまた大人の苦みがあっていいよね。
でも、ローガンはぶっちゃけそれほど好きになれない。なんかあの話し方が気になる。目を細めて声を低くしてかすれさせるのがなんか、なんとなく……色男ぶっているというか。いや、イケメンではあるかもしれませんが、背もちょっと低いし……。
でも、ローガンはジェスよりはマシかなと思っていたんです。実は以前までジェスはろくでもない男だと思っていました笑。だけど『イヤー・イン・ライフ』ではいい男になっていましたね。ローガンよりもむしろジェスとくっついてほしくなっちゃった。
ローリーがこれからどうなるのか、ぜひとも知りたい。何度でも言う。続編希望。
エミリーも以前よりずっと好感の持てる人物になったし、これからどんなふうに生きていくのか見てみたい。あの言葉の通じないメイドのおかげでエミリーの生活が賑やかになって安心した。
何人ものメイドをクビにして辛く当たってきたエミリーを孤独から救ってくれたのは婦人会などのハイソサエティの人間ではなく、いままで虐げてきた人々なんだなあ……。しみじみといいね。
特に感動して泣いちゃったのが、旅に出たローレライが丘にのぼって景色を見て、エミリーに電話をかけるところ……。
リチャードの葬式でローレライがひどいことを言ったこと、ちゃんと昇華されるんだね……。葬式での言動はあまりにローレライが愚かで憤りを感じたけれど、その愚かさがなければこの感動は味わえなかったんだ。
よく考えれば登場人物みんな愚かなんだけど、どうしても憎めないんだよな。その愚かさが愛おしいと感じる。
『イヤー・イン・ライフ』のおかげで『ギルモア・ガールズ』が本当に好きになった。
まだ物語は終わってない。しつこいけどまた言っておく。続編希望。熱烈に。
2024/05/08
ドラマ『ギルモア・ガールズ』感想
※ネタバレあり
このドラマ、途中で観るのやめていたんですよね。だんだんローレライの性格が無理になっちゃって……。
でもネットフリックス制作でやってる続編の『ギルモア・ガールズ:イヤー・イン・ライフ』を観たくて頑張って観終わりました。全7シーズン、全153話。
いまイヤー・イン・ライフの方をちょっとずつ観てるのですが、これを観るためだけでも本編を観終わっていてよかったです。十年後(だよね?)の登場人物を観るのがおもしろすぎる。こっちの方も観終わったら感想書きます。
『ギルモア・ガールズ』、最初はおもしろく観てたのですが、だんだんわたしの趣味に合わなくなってきて……。
なんだろうな……。むずかしい問題ですよね。ドラマって登場人物がある程度愚かじゃないと物語にならないじゃないですか。
その愚かさって観ている側としてはもどかしいんだけど、それをいかにリアリティをもって納得させるのか、っていうのが俳優含めた製作者の技量だと思うんです。
もちろんいろんな制約があるから仕方ないと思いますよ。視聴者、俳優、脚本、スケジュール、監督、プロデューサー全方位の要求をきいて満足させるのは難しいだろうし。
しかしいろんな事情があったにせよ、そんなの知らないわたしからしたら、正直なところ観ていてなんか不快だなと思ってしまうんですよね。
わたしが無理だなと思ってしまった理由が、ローレライの行動や決断に賛成できなくなってしまったから。
ルークとやっと結ばれて婚約したのにそれを自分から壊しにいくような行動がよく理解できなかったし、そのあとクリストファーと結婚したことでますますよくわからない人になってしまった。
あまりにも愚かだし、納得ができない。最後にはベラベラと無駄なことを話し過ぎるというローレライの特徴すら無理になってしまった。それがローレライの持ち味なのにね。
エミリーはね、ローレライと同じくらい頑固で偏狭でもどかしいっちゃもどかしいんだけど、可愛げがあるんですよね。だからなんとか許せる。
残酷なこというけど、わたしはローレライの俳優さんの見た目がそんなに好きじゃないんだろうなあ。美しい目をしてるとは思う。スタイルもいい。だけど、髪の毛質とか鼻の形とか話し方がわたしにしっくりきていない。
見た目がわたしのタイプではないという理由で、わたしは話の筋に納得ができないんだ。どうしてローレライがそんなに男性に求められ、そして男性を振り回しているのか。
もしかしたら、自分の母親を思い出させるからかもなあ。嵐のように周りを振り回して傷つけて、それで自分もいっぱしに傷ついて、いつまでも子どものような人。
あれ、よく考えると髪質とか鼻の形とか、わたしが嫌いだと思うところが母親を彷彿とさせる……。つまりわたしはローレライが嫌いなんじゃなくて自分の母親が嫌いなんだ笑。
ローレライもね、憎めない人ではあると思うんですよ。主人公だからストーリー展開のための犠牲にならざるを得ないだろうし。
その点安心して見れたのはローリーですね。変人揃いのドラマの中で唯一の良心。完璧美少女で頭もいい優しい子。ローリーの美少女っぷりは本当に神がかってました。
男を見る目は……うーん、ちょっとなんともいえないけど、おもしろい展開だったからよし。
個人的に好きなのはパリスかも……。というか強烈すぎて圧倒されたというか笑。
ん!? Wikipediaにすごいことが書かれてるんだけど。
「ウェイルは当初ローリー役の予定であったが、結果的にアレクシス・プレデルが同役を演じることになったため、製作者側はウェイルのためにパリスという役を用意した。」
うわわ……これって、なんか気まずいな。パリス役のウェイルはどういう気持ちだったのかを想像すると……。まあ想像するしかないですが、やはり悔しさはあったのでは……。
途中退場するかと思ったパリスがシリーズを通してローリーの親友だったのは、そういう事情もあったのかな……。
ディーンとジェスとローガンについてもいろいろ言いたいことはあるのですが、長くなりそうなので割愛。
なにはともあれ、観終わってよかった。観てる途中は飽きたりうんざりしたり呆れたりしたけれど、観終わってみると良い思い出。
これってスターズ・ホローという街への印象そのものだな。なんだかんだいっても、愛すべきドラマだったということだな。
スティーヴン・ミルハウザー『バーナム博物館』感想
今まで読んだミルハウザー作品とはちょっと違う雰囲気の短編がいくつかあって、それがなかなか手強かった。
いや、正直にいうといくつかの作品がなんとも読み辛くて、読み終わるのに時間がかかってしまった。
ミルハウザーらしいといえばらしい作品なんだけど、実験的な要素が強かった気がする。どの小説でもそうですが、実験的な作品って興味深くはあるんだけど読みにくいんだよな……。
特に苦労したのが「探偵ゲーム」。これを読むのが大変だった……。日本人には馴染みのないゲームだから想像がつきにくいというのもひとつの理由だとは思うけど。
どうやら原書では担当編集者の思い入れが強いゲームだったらしくて、これが短編集のトップだったそうだ。それって大丈夫だろうか? トップにもってくるにはアクが強すぎやしないか。
誤解を恐れずにいうと、原書の短編の順番には首を傾げる。だって「バーナム博物館」のあとに「セピア色の絵葉書」って。「幻影師、アイゼンハイム」のまえに「ロバート・ヘレンディーンの発明」って。
短編の順番ってその短編集の印象を左右する重要な要素ではないですか。なんか原書はチグハグなイメージが拭えないんだけど……まあわたし個人の感想なのでね。
日本の短編の順番は大満足。
- 「シンバッド第八の航海」
- 「ロバート・ヘレンディーンの発明」
- 「アリスは、落ちながら」
- 「青いカーテンの向こうで」
- 「探偵ゲーム」
- 「セピア色の絵葉書」
- 「バーナム博物館」
- 「クラシック・コミックス #1」
- 「雨」
- 「幻影師、アイゼンハイム」
うん。何度見てもこれ以上変えられないくらい素晴らしい順番だと思う。美しい波に揺られるようにミルハウザーの世界を堪能できる。
訳者の柴田元幸が著者に許可を得て変えたそうだ。訳者あとがきを読むたびにしみじみ思うけど、本当に柴田元幸が訳者でよかった。柴田元幸が訳してなかったらこんなに好きにはならなかったかもしれない。
それにしても、この短編集で出色の出来栄えはなんといっても「幻影師、アイゼンハイム」だ。最後を飾るこの作品まで辿り着くのに本当に苦労したけど、読んだ甲斐があった。
これぞミルハウザー。もう何も言うことはない。すべてはわたしの記憶に刻まれている。
Wikipediaを読んでみたらなんと映画化していた。しかもエドワード・ノートン主演で。ノートン好きだけど、アイゼンハイムって感じではないな。あの天才性でイメージの差異をねじ伏せるのだろうか。
いやはや……「幻影師、アイゼンハイム」がすごすぎて、他の作品の影が薄れてしまった。他の作品も良かったんだけど、最後に全部アイゼンハイムに吹っ飛ばされた。
すごいよ。本当に……。もう沈黙するしかない。黙って次のミルハウザー作品を読もう。
ミルハウザー作品は基本的に日本での刊行順に読んでいるんだけど、それぞれの作品が書かれた順番がめちゃくちゃ気になる。せめて本国での刊行順を知りたい。いつか気が向いたら調べよう。
次は『木に登る王:三つの中篇小説』か。以前読んだ『三つの小さな王国』がおもしろかったから期待大。
ミルハウザー作品は貴重だから大切に読んでいこう。
2024/05/05
アニメ『プリティーリズム・レインボーライブ』感想
映画『バービー』感想
なんだこりゃ笑。めっちゃおもしろかった笑。
誰が考えたんだろう、バービー人形の映画化なんて……良い意味でぶっとんでるね。
いやほんと、よく考えたらおかしいよね? バービー世界と現実世界の行き来を描くなんて……。考えた人は天才でしょ。新しい。新しすぎる。わたしたちは常に新しいものを見せてもらいたんだ。ありがとう、この映画を作った人。新しい世界、見れました。
時代に合ってる……のか。いやそれどころか、バービーでしか描けないものがあるな。うん。
バービーとケンの馬鹿馬鹿しさとあっけらかんとした明るさがなければ、この映画はただの口うるさい風刺映画で終わっていたような気がする。
格差や差別を描いてるのにこんなにハッピーで希望を持てる映画がかつてあっただろうか……。底抜けのハッピーさもわざとらしくてシニカルなんだよなあ。そこがいいね。
あの斬新な視点、すごくないですか? バービーは常につま先立ちだし食事をしないし恋愛もセックスもしない、そして老いもせず死にもしない! 毎日ビーチに行ってパーティして夜は女の子で集まって楽しく暮らしている。
そしてバービーのおまけでしかない存在のケン。バービー世界は女の子が主役なのが当たり前。バービーはみんな完璧で平等に輝いている。そんななか、現実世界の歪みがバービーに影響してあれよあれよという間にバービーとバービー世界は変化していく。
これって単純なフェミニズム映画じゃないんですね。「女性はこんなふうに虐げられている!」という主張すら誇張されて茶化されている。
男性が支配する社会もこれでもかと馬鹿にしているんだけど、それと同じくらいバービーたちの女性優位社会も馬鹿にしているんだよな。いや、馬鹿にしているというのは違うか。風刺している?
男性優位、女性優位、どちらの世界も見たバービーは自分を見失って絶望しちゃいますよね。それからなんやかんやしてバービー世界を女性の手に取り戻して、それじゃあこれからバービーはどう生きたらいいのか? という問いに映画がどう答えたかというと、産婦人科に行くバービーで映画を終わらせた。
一瞬、え? どういうこと? と思ったんだけど、作中で言及されていたバービーには性器がないという描写を思い出してなるほどと思った。
生きていくために、まずは自分の身体を知ることからはじめるってことだとわたしは思ったけど……どうだろう。性は生に内包され、生は死に内包されている。生きて死ぬひとつの肉体からすべては発する。
バービーは人形として完璧なプラスチック人生から、性器を持った生身の人間として生きることをはじめようとしているんじゃないかなと思った。
女性の権利とか男性の支配とか自分を自分たらしめるものは何かとか、いろいろな問題があった。それらをなんとかしようとする前に、まずは一番近いところ、自分にとってのすべてのはじまりでありおわりである肉体の理解から出発しようというメッセージなのかな……。
ちょっとこの解釈は自信がない……。
でも、社会でどんな問題が起ころうと人生で何が起ころうと、わたしという個人は肉体のくびきから逃れられない。逆にいえば、個人は肉体という砦に守られている。肉体だけがわたしの唯一にして完全な持ち物なんだ。
その肉体がどういうものか、人間になったばかりのバービーは知らないんだと気づいたとき、わたし自身もわたしの身体について知らないかもしれないと気づかされる。
社会や人生がどういうものかわからないのと同じくらい、わたしは自分の身体がどういうものなのか知らない。
人間として生きていくなら、まずは自分について知ることが大事なのかなあと思った。
まあそういう小難しいこと抜きにして、ほんと純粋におもしろい映画だった。声出して笑ってた気がする。もう一回観たい、いや何回でも観たいかも!
映画『アンテベラム』感想
※ネタバレあり
たったひとつのアイディアで一点突破しようとした作品。 こういう作品ってインパクトあって人に勧めやすいですよね。
過去だと思っていたものが実は現在で、現在だと思っていたものが実は回想だった、というのは文句なしにおもしろい。わかりやすくて驚きもひとしおだった。
てっきり過去の南北戦争時代だと思い込んでいたらじわじわと「なにかがちがう」という予感が迫ってきて、満を持して上空を飛行機が飛んでいく……。
そういうことか、ってびっくりした。びっくりはしたんだけど、あまりにも慎重にバレないようにそこまで進めたせいで、映画の中盤まで(つまりネタバレまで)が前振りになってしまった感じは否めない。
ネタばらしまでのシーンが平板な前座になってしまったような気がして、もっとうまくできなかったものかな……と思ってしまう。いや、十分にうまいんですけどね。それでもね。
だって「いつになったら映画が本格的にはじまるんだろう?」って不思議に思って観てたら映画の中ほどでやっと勢いがついたので「遅くない?」と感じてしまった。
助走が長すぎてジャンプの勢いがそがれてしまったような気がする。いいアイディアだっただけに、もっと高くまで飛べたんじゃないかと惜しい気持ち。
ネタばらしをしてからの展開もすこし緊張感に欠けていたかも……。まあそれくらいゆるい方が観やすいんですけどね。
監督の経験が浅いのかな? と失礼ながら思ってしまったんだけど、どうやらこの映画が長編デビュー作らしい。前は短編を撮っていたんだろうか。それなら納得かもしれない。
惜しい点はあれど、アイディアはすごくよかった!
2024/05/04
映画『ブレイド』感想
※ネタバレあり
おもしろかった。90年代の映画の質感が好きだから評価が甘くなるのは許してほしい。
アクションシーンもいいし近代的なヴァンパイア像もいいしブレイドのキャラクターもいい。
なによりブレイドの俳優さんがいいね。ウェズリー・スナイプスか。いかついサングラスを取ったらあんなに澄んだ瞳が出てくるなんて誰が想像できた? はじめて見たときはハッとしました。
なんかブレイドのシルエットが侍チックというかキマッてるなあと思ってたらマーベル・コミックの映画化だったのね。そりゃコミック特有のキャラクター感が出るわ。
ブクブクに太った記録係を訪ねるところとか古文書が展示されている部屋とかよかったな。
儀式をする場所も、いかにも胡散臭い神聖さがあって好きだった。そこでのブレイドとフロストの剣戟もすごくよかったし。
ブレイドがとらわれて石碑みたいなところにいれられて血を流して、その血が建物を伝って流れ落ちていくところはワクワクした。非効率すぎて現実には有り得ないですが、そこがまたいいんだよな。
というかウィスラーが死んだのがめちゃくちゃ悲しいのですが……。いいやつだったしブレイドといいコンビだったのに。
まあ気の強い美人の相棒もそれはそれでいいか……。
これって三部作らしいけど、続き観ようかな、どうしようかな。あ、なんか感想を書くと観たくなってきた。
でもウィスラー死んじゃったしな……はあ。二部で死んでもよかったんじゃない? もうちょっとウィスラーとブレイドのコンビを楽しみたかったよ。
この映画、90年代の映画だから贔屓目に評価しちゃったけど、映画の好き嫌いでいったらどちらでもないんだよな。
うーん、気が向いたら続き観ます……。
映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』感想
ダレン・シャン『デモナータ 6幕 悪魔の黙示録』感想
2024/05/02
ドラマ『ママと恋に落ちるまで』感想
2024/05/01
森博嗣『つぶやきのクリーム』感想
あさのあつこ『バッテリー』感想
ここ数日間、本当に『 バッテリー 』のことしか考えてなかった。一日に一冊、時に二冊読んでいて、さっきⅥの完結編を読み終わったのですが、この、行き場のない気持ちをどうすればいいのか、わからない。 感想ブログなんてものをしているわたしだけど、実は読んでも感想を書かない場合もあって。 ...
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あんまり俳優やアイドルに熱狂することはないんですが、局所的に心臓を刺されることが時たまあるので、映画のなかでキュンときた男たちについて語ってみます。 まず、キアヌ・リーヴス。若い時のキアヌが特に好きで、『 マトリックス 』とか『 コンスタンティン 』も好きだけど、『 マイ・プライ...
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アニメシリーズと『ロンド・ロンド・ロンド』を観てから視聴しました。 すっごかった……。映画の新しいあり方を見せてくれたような気がする。その新しいあり方の名前がつまり「ワイルドスクリーンバロック」ということなんだね。 『ロンド・ロンド・ロンド』を観て改めて思ったんだけど、この物語っ...
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クレヨンしんちゃんの映画を初めて観たんだけど、いい!! めっちゃよかった。 このブログに度々出てくる(というかその人しか出てこない)某さんにまたまた教えてもらって観ました。 某さんとね、先日お会いしましてね……。眩しいくらいの美人で目ん玉飛び出ました。お会いしているあいだ夢見心地...